2010年10月13日水曜日

BPT過程、更新過程メモ

ある一つの地震の活動をモデル化するものに、BPT(Brownian Passage Time)というのがあって、これの喩えに”動く歩道に乗った酔っ払い”というのがある。動く歩道は一定の速度で進むが、酔っ払いの歩く速度は一定しない、時には逆行したりへたり込んだりするので、目的地へ着く時間はまちまちになる。

Ellsworth他のUSGS Open-Files からの引用。更新過程というもので、状態(地殻内のひずみ等かな)が、ある閾値に達すると、イベント(地震)が起きて状態は初期化される。地震などの自然現象では、この過程にばらつき(酔い)が加わる。下へ行くほど、お酒がまわっている感じだ。


イベントとイベントの時間間隔の分布は平均値μとばらつきのパラメータαを使った確率密度の式で与えられる。具体的には上のリンクを見て下さい。分布の形は一番下のような形。宮城県沖地震の平均発生間隔37.1とバラつきのα=0.18をJNESの報告から与えた。確率密度なので、確率はある時間区間で求める。0→∞までの区間で確率1となる。
赤い線は、1978から2005まで地震が起きていないことを反映させたもの。


ただ、BPTの確率密度は、次のイベントまでの時間に関してのものなので、ある時間区間で何回イベントがあるか?という話になると一寸ややこしくなる。
先のJNESの報告では2005年1月からの30年に宮城県沖地震の発生確率は99%、その間のイベントが1回だけの確率は98%だそうだ。前回イベントからだと、26+30で56年間のイベント回数を考えているので、発生間隔37年を考えると、2回起こる確率はもうちょっとあっても良いように感覚的には思うが…。

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