http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20110401-00005808-r25
2011年3月12日、九州新幹線鹿児島ルートが全線開業した。政府が九州新幹線の整備計画を決定したのが1972年だから、実に39年越しの念願がかなったといえる。これにより博多-鹿児島中央間を最速で1時間19分で行き来することが可能となり、九州経済のさらなる活性化が期待されている。
しかし、世界では遥かにスケールの大きな鉄道計画が複数進行中だという。そのひとつがロンドン-北京間を結ぶ「ユーラシア高速鉄道計画」だ。時速350kmのスピードでユーラシア大陸を2日間で横断するなんてスゴいスケールだが、実際、中国がヨーロッパ各国と交渉をすでに進めていて、今後10年以内に開業する見通しだという報道もある。ほかにも中国メディアが報じている情報によると、中国の南部の都市・南寧を出発し、ラオス、タイ、マレーシアなどを経由してシンガポールまでを結ぶ「東南アジア高速鉄道計画」が着工されるようだ。またブラジルでも2016年リオデジャネイロオリンピック前の開業を目指し、リオデジャネイロからカンピーナスまで518kmを結ぶ大規模高速鉄道計画が進行中。
なぜいま世界であらためて鉄道が注目され、スケールの大きな計画が進行しているのだろうか。
「鉄道の敷設には多額の費用がかかり、先進諸国でも新たな鉄道の建設には二の足を踏んでいました。しかし、原油価格の上昇や地球温暖化にともなう環境意識の高まりから、少ないエネルギーで大量輸送が可能という効率の良さや環境への負荷が少ない点で、あらためて鉄道が評価されています」と解説してくれたのは鉄道ジャーナリストの梅原淳さん。
「鉄道に郷愁を覚えたり、鉄道の旅に心ひかれるという気持ちは万国共通ではないでしょうか。高度な技術をもっていても、どこか生き生きとした機械の面影を残しているところに鉄道の魅力があるのかもしれません」
近い将来、あえて飛行機を使わず世界を巡る、といった楽しみが身近になるかもしれない。
(本折浩之/東京ピストル)